鑑真を訪ねて-東大寺と唐招提寺-

国宝仏像を安置する「唐招提寺・金堂」

東大寺」を後にした鑑真は759年、
戒律の研究と実践を行う「律宗」の道場として
唐招提寺とうしょうだいじ」を建立しました。

唐招提寺南大門

鑑真が晩年を過ごした場所で
奈良時代の文化財が当時のまま残る貴重な史跡として
世界遺産に登録されています。

入口の「南大門」をくぐると
国宝金堂」が正面に迎えてくれます。

唐招提寺金堂

奈良時代に建立された現存する唯一の「金堂」で、
修繕を繰り返しつつ、
当時の姿に近い形で残されています。

唐招提寺金堂

内部は撮影禁止のため、写真はありませんが
高さ約3mの「盧遮那仏」を中心に
薬師如来」と「千手観音」を配して、
その手前に「梵天・帝釈天」を従えて
四隅に「四天王立像」を安置しています。

合計9体の仏像はすべて
奈良末期から平安初期に制作された国宝です。

特に目を引くのが高さ5mを超える「千手観音像。

一般的な千手観音は腕が「千手」もありませんが
ここの「千手観音像」は実際に1000本近くあります。

正確には953本で、制作当時は1000本の腕があったと
考えられています。

細工された腕を複雑に組み合わせて
立像にした姿は見るものを圧倒します。

当時の仏教に対する思いを
感じることができる必見ポイントです。

平城宮の移築建造物「唐招提寺・講堂」

金堂」の裏手にある「講堂。

唐招提寺講堂

唐招提寺」を建立する際に
平城宮の「東朝集殿ひがしちょうしゅうでん」を移築したものであり、
現代に残る平城宮唯一の建物として
国宝に指定されています。

唐招提寺講堂

堂内は鎌倉時代作の「弥勒如来坐像みろくにょらいざぞう」と
建立時作と推定される「木造持国天じこくてん増長天立像ぞうちょうてんりゅうぞう」 が安置され、
いずれも重要文化財に指定されています。

釈迦の骨を安置する「唐招提寺・鼓楼」

金堂、講堂」の東側にある「鼓楼ころう。

唐招提寺鼓楼

創建当時は「経楼きょうろう」と呼ばれた建物を
1240年(鎌倉時代)に再建して、
改名したものと考えられています。

鑑真が唐に要望して貰い受けた
三千粒の仏舎利ぶっしゃり(釈迦の遺骨)」を
安置していることから「舎利殿しゃりでん」とも呼れ、
国宝に指定されています。

また、鑑真の再来と称される
戒律復興の祖・覚盛かくじょうの命日・5月19日に
中興忌梵網会ちゅうこうきぼんもうえ(うちわまき)」が行われ、
鼓楼」からハート型のうちわが撒かれる
イベントがあるそうです。

釈迦の法要が行われる「唐招提寺・礼堂、東室」

鼓楼」の東側にある「礼堂・東室」。

唐招提寺礼堂・東室

元々は「鼓楼」の「仏舎利ぶっしゃり」を礼拝するための堂とされ、
毎年10月21日~23日に行われる
釈迦の法要「釈迦念仏会しゃかねんぶつえ」が行われます。

800年続く伝統行事で、10月21日と22日の法要後に
国宝金亀舎利塔」が公開されるそうです。

日本最古の校倉造「唐招提寺・宝蔵、経蔵」

礼堂・東室」のさらに東側にある
宝蔵ほうぞう(奥)」と「経蔵きょうぞう(手前)」。

唐招提寺宝蔵・経蔵

共に国宝ですが、特に「経蔵きょうぞう」は
唐招提寺」創建前の新田部にいたべ親王邸の米倉を
改造したものされ、
日本最古の校倉造あぜくらつくりとされます。

唐招提寺経蔵

新田部にいたべ親王第四十三代・天武天皇の皇子


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