明治を代表する日本庭園「無鄰菴」(京都市)
明治・大正時代に活躍した政治家「山県有朋」の別荘として建てられた『無鄰菴』
京都東山を借景とする日本庭園があり、琵琶湖疏水から引かれた小川が流れます
庭園は現在も京都市によって管理されていて、
日本らしさが感じられる人気の観光スポット
特に紅葉の季節がオススメです
上の最後の写真奥にある建物が別荘で、中を見学することができます。
この部屋は1903年(明治36年)4月に「無鄰菴会議」が行われた場所です
20世紀初頭、ロシアは武力による領土拡大(南下政策)を行い、
朝鮮半島も支配しようとしていました。
その朝鮮半島は日本の安全保障にとって重要な場所だったため、
山形有朋、伊藤博文、桂太郎、小林寿太郎の4名は、
ロシアの領土拡大を外交努力で止めるための会議をこの部屋で行ったとされます
結局、翌年に日露戦争が勃発し、日本の勝利で終結するのですが、
この勝利でロシアに領土を奪われつつあったトルコ(オスマン帝国)が
喜びに沸いたことはあまり知られていません。
明治初期、トルコは日本と同じく欧米に不平等条約を締結させられ、
日本と共闘するために交流が始まりました。
その一環で来日したトルコ軍艦「エルトゥール号」が和歌山沖で遭難し、
海に投げ出された船員を救助してくれた日本人に対し、トルコ人は親しみを持っていて、
その日本がロシアに勝ったということも喜びにつながったようです。
(「エルトゥール号遭難事件」は最近TVでよく紹介されるようになりましたが、
トルコでは今でも授業で習うため、親日の方が多いそうです。)
最近、トルコ軍がロシア軍機を撃墜したニュースがありましたが、
ロシアに領土を奪われた歴史が現在も尾を引いているようです
そんな歴史的背景を持つ『無鄰菴』ですが、
今では多くの外国人観光客が美しい日本庭園を求めて訪問されています
場所はコチラ。「南禅寺」や「京都市動物園」の近くにあります。
入場料410円。受付を済ませて、この小さな入口から中に入ります