【製作レポート】「情熱大陸」の『Proバージョン』楽譜について
| 23:18 | Category:ブログ, 音楽関連情報 |
はじめに
Fast Musicの楽譜は
「原曲のイメージを大切にすること」をモットーに
アレンジしています
これはつまり、
・原曲のイメージをデフォルメした表現はしない
・余計な音を追加しない
・作曲者の意図を読み取って忠実にアレンジする
という意思表明であります
一方、Proバージョン楽譜は特別で、
演奏者だけではなく「聴衆も満足できる」をコンセプトに
「聴き映え」あるアレンジを加えています
ですので、演奏者に表現力を含めた高い技術を求めて
楽器の特性をフルに活かしつつ
原曲のイメージに広がりを持たせたアレンジで
仕上げています
そんなProバージョンとして作成した楽譜の中で
最もご好評を頂いているのが「情熱大陸」です
おかげさまでYouTubeの演奏動画は
再生回数が300万回に到達する勢いです
そこで今回は、この演奏に詰め込んだ3分半の
「聴き映え」ポイントをご紹介したいと思います
聴き映えポイント①
【イントロ】0:00~0:21
原曲では情緒のあるバンドネオンのソロで始まりますが
あえてその部分を割愛。
勢いのあるイントロにしました。
右手でラテン的なモントゥーノのリズムを刻みながら
左手の2,4拍目にDm9の9thにあたる「E」の音を
持続的に打つことで緊張感を持たせ
「秘めた情熱」を表現しています。
聴き映えポイント②
【Bメロ】0:50~1:19
情熱的なサンバのリズムと
伸びやかなヴァイオリンのメロディが印象的な部分ですが
そのイメージをピアノソロで可能な限り
近づけられるよう工夫しました。
右手はメロディとその合間を縫うように
オブリガートを兼ねたバッキングを。
左手は16音符を引っ掛けるような
サンバ特有のベースパターンを弾き、
これらが絡み合うことで
躍動感のあるグルーヴを生み出しています。
聴き映えポイント③
【間奏】1:20~1:54
この部分は完全な創作です
ハーモニックマイナースケールで
少しミステリアスな雰囲気を出しました。
イントロで左手2,4拍目の「E」は
Dm9の9thの役割をしていましたが
ここではAmの5th。
これをイントロと同様に持続させて
疾走感が保つようにいます。
また「E」を軸に手をクロスさせているのは
「聴き映え」に加えて「見映え」も意識しています。
聴き映えポイント④
【ラストのBメロ】2:38~3:08
こちらも創作部分で
Bメロのコード進行にアドリブ風の演奏を乗せています。
ここは理論どうこうよりも
自分がいいと思ったフレーズを詰め込んだ部分で
「秘めた情熱」が最後に激しく燃え盛るようなイメージで
アレンジしました。
もしアドリブや編曲ができる方は
自分なりの「情熱」をぶつけて頂きたいと思います
あとがき
以上、簡単ではありますが、
これらのポイントに注目しながら
お聴きいただければと思います
かなり難易度は高いですが、変な弾き方を強要するなど、
クセのあるアレンジはしていませんので
ご安心下さい
もし演奏方法でご質問があれば
お問い合わせ下さい
ちなみに先日アップロードした連弾バージョンは
ソロアレンジをベースに作ったものです
各パートに分けたことで難易度が下がり、
ソロ演奏より演奏者が楽しめることを重視したため
Proカテゴリーから外しました
一般にソロと連弾では
演奏の趣旨や楽しみ方が違うので
アレンジの仕方も変えるのですが
その点については「情熱大陸」の連弾バージョンも含めて
次回に書かせて頂こうと思います
ということで、
「情熱大陸」のピアノソロProバージョン楽譜について
でした