【製作レポート】「情熱大陸」の『Proバージョン』楽譜について

はじめに

Fast Musicの楽譜は
原曲のイメージを大切にすること」をモットーに
アレンジしています。

これはつまり、

・原曲のイメージをデフォルメした表現はしない
・余計な音を追加しない
・作曲者の意図を読み取って忠実にアレンジする

という意思表明であります。

一方、Proバージョン楽譜は特別で、
演奏者だけではなく「聴衆も満足できる」をコンセプトに
聴き映え」あるアレンジを加えています。

ですので、演奏者に表現力を含めた高い技術を求めて
楽器の特性をフルに活かしつつ
原曲のイメージに広がりを持たせたアレンジ
仕上げています。

そんなProバージョンとして作成した楽譜の中で
最もご好評を頂いているのが「情熱大陸」です。

おかげさまでYouTubeの演奏動画は
再生回数が300万回に到達する勢いです。

YouTube link for 葉加瀬太郎 情熱大陸

そこで今回は、この演奏に詰め込んだ3分半の
聴き映え」ポイントをご紹介したいと思います。

聴き映えポイント①

【イントロ】0:00~0:21

原曲では情緒のあるバンドネオンのソロで始まりますが
あえてその部分を割愛。

勢いのあるイントロにしました。

右手でラテン的なモントゥーノのリズムを刻みながら
左手の2,4拍目にDm9の9thにあたる「E」の音
持続的に打つことで緊張感を持たせ
秘めた情熱」を表現しています。

聴き映えポイント②

【Bメロ】0:50~1:19

情熱的なサンバのリズム
伸びやかなヴァイオリンのメロディが印象的な部分ですが
そのイメージをピアノソロで可能な限り
近づけられるよう工夫しました。

右手はメロディとその合間を縫うように
オブリガートを兼ねたバッキングを。

左手は16音符を引っ掛けるような
サンバ特有のベースパターン
を弾き、
これらが絡み合うことで
躍動感のあるグルーヴを生み出しています。

聴き映えポイント③

【間奏】1:20~1:54

この部分は完全な創作です。

ハーモニックマイナースケール
少しミステリアスな雰囲気を出しました。

イントロで左手2,4拍目の「E」
Dm9の9thの役割をしていましたが
ここではAmの5th

これをイントロと同様に持続させて
疾走感が保つようにいます。

また「E」を軸に手をクロスさせているのは
聴き映え」に加えて「見映え」も意識しています。

聴き映えポイント④

【ラストのBメロ】2:38~3:08

こちらも創作部分
Bメロのコード進行にアドリブ風の演奏を乗せています。

ここは理論どうこうよりも
自分がいいと思ったフレーズを詰め込んだ部分で
秘めた情熱」が最後に激しく燃え盛るようなイメージ
アレンジしました。

もしアドリブ編曲ができる方は
自分なりの「情熱」をぶつけて頂きたいと思います。

あとがき

以上、簡単ではありますが、
これらのポイントに注目しながら
お聴きいただければと思います。

YouTube link for 葉加瀬太郎 情熱大陸

かなり難易度は高いですが、変な弾き方を強要するなど、
クセのあるアレンジはしていませんので
ご安心下さい。

もし演奏方法でご質問があれば
お問い合わせ下さい。

ちなみに先日アップロードした連弾バージョン
ソロアレンジをベースに作ったものです。

YouTube link for 葉加瀬太郎 情熱大陸

各パートに分けたことで難易度が下がり、
ソロ演奏より演奏者が楽しめることを重視したため
Proカテゴリーから外しました。

一般にソロと連弾では
演奏の趣旨や楽しみ方が違うので
アレンジの仕方も変えるのですが
その点については「情熱大陸」の連弾バージョンも含めて
次回に書かせて頂こうと思います。

ということで、
情熱大陸」のピアノソロProバージョン楽譜について
でした!


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