アイヌ伝統を伝える「阿寒湖アイヌコタン」(北海道阿寒町)

北海道の阿寒湖畔に北海道最大のアイヌコタン(アイヌの集落)がありました。
その規模は戸数36、人口は120-130名程度だったそうです。

阿寒湖アイヌコタン

まずはアイヌ民族の基本情報を

「アイヌ」とはアイヌ語で「人間」を意味し、
元々は「カムイ(自然の神々)」と対比して使われていた言葉です。

自然崇拝やアイヌ神話の内容から「和人(アイヌ語でシサム)」と
文化的に近いように思えますが、言葉は日本語とまったく違う独特のもので、
文字を持たず、縄文時代から変わらないという説もあります。

また、縄文人がルーツで、北海道や樺太、千島列島~カムチャッカ半島に至る範囲で
暮らす先住民です。

しかしながら、15世紀頃から和人の支配が強まり、
崇拝してきた自然は明治以降の文明開化と共に破壊され、
さらに同化政策でアイヌ文化が失われていきます。

その後もアイヌ民族に対する差別等が続く中、世界で先住民の保護が重視され、
日本でも1997年「アイヌ文化振興法」や
2008年「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」により
アイヌ文化がようやく国の保護を受けるようになりました。

今でもアイヌ民族は北海道や東京などで暮らしているようですが、
その文化は阿寒湖アイヌシアター「イコロ(宝)」などの施設で伝承しています。

阿寒湖アイヌシアター「イコロ(宝)」

ここではアイヌの古式舞踊や人形劇などが披露されており、
演舞のタイムスケジュールや入場料などは公式サイトでご確認下さい。

古式舞踊に関しては国の重要無形民俗文化財やユネスコ世界無形文化遺産に登録され、
アイヌの暮らしの中から生まれた様々な踊りを実演していただけます。

・弓の舞(クーリムセ)

阿寒湖アイヌシアター「イコロ(宝)」-弓の舞(クーリムセ)

狩人が美しく舞う鳥に見とれて生まれた踊りなんだとか。。。

・黒髪の踊り(フッタレチュイ)

阿寒湖アイヌシアター「イコロ(宝)」-黒髪の踊り(フッタレチュイ)

髪の長い女性が体を左右に大きく動かして髪の毛を振り回し、
その髪が地上に突き刺さるごとく激しく踊るもので、
釧路では「心臓比べの踊り」とも呼ばれています

・お盆の取り合いの踊り(ヘクリサラリ)

阿寒湖アイヌシアター「イコロ(宝)」-お盆の取り合いの踊り(ヘクリサラリ)

お盆を取り合ったり、投げ合ったりするゲームで、落とすと負けというルール

・踊り比べ(エッサーホーホー)

阿寒湖アイヌシアター「イコロ(宝)」-踊り比べ(エッサーホーホー)

大勢が輪になって踊るもので、観客も参加して盛り上がります

※写真撮影OKですがフラッシュNGです

その他、周辺には資料館やおみやげ屋さんなどがありますので、
ここでしか体験できないアイヌの文化に触れてみてはいかがでしょうか

阿寒湖アイヌコタン

阿寒湖アイヌコタン

場所はコチラ。温泉街の中にあるので、
ホテルにチェックインして無料の周遊シャトルバスや歩いて行くことも出来ます


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